プレゼンテーションも6回目になりました。ちょっと中だるみなのか、今回は集中して聞いている人が少なく、寝てしまう人もいて、フリートークの活気も今一つでした。プレゼンの後、毎回、おとな会議でその日のプレゼンを振り返ります。そこで出たのは、みんなで創り上げるという意識が足りないのでは、という課題でした。
この文章は僕が書いていて、一応、僕の文章ということになっています。でも、おとな会議でシェアをして、文章を直してもらっています。それを経るうちに、自分の文章という意識が薄れていっています。だんだん無くなっていけばいいと思っています。この文章はみんなの文章です。みんながそう思えるように、そんなふうにプレゼンの時間をまとめていきたいと改めて思いました。
加えて僕はプレゼンの司会をしています。その時間、その場所をみんなで創り上げられるように。自分という意識を超えてみんなと一つになれるように。そして、憲章の言葉がみんなから自然に浮かびあがるように。そういう気持ちが大切にしています。あらためて気持ちを引き締めました。
こういう課題一つ一つを通じて学ぶことが、憲章の血となり肉となります。生きた言葉が生まれる土台になります。そう思うとやはりわくわくしてきます。これから楽しみです。
今回のプレゼンは、農業の最終回でした。多品種少量栽培、苗づくり、稲作、養鶏、養蜂、山羊の飼育など、個々の具体的な取り組みの再確認の時間となしました。
木の花で栽培している野菜は、88品目217品種です。穀類は5品目10品種、茶、果樹などは25品目36品種、そしてお米が13品種です。(飼料米含む)。なぜ、これだけの品種を育てているかといえば、私たちが営利目的ではなく自給自足をベースにしているからです。自給自足の生活が与えてくれる喜び、大地との繋がり、生かされているという気持ちを大切にし、感謝の心を大切にしています。畑、田んぼともに8ha、合計16haの耕作地が近隣に点在しています。そのほとんどは無償で借り受けた遊休農地です。遊休農地を活用することは地域貢献に繋がります。さらに農作物を世の中に提供することにより、自給率の向上にも役に立っています。私たちは社会との繋がりも大切にしています。
苗作りは専用のビニールハウスで行っていますが、化石燃料は使用しません。化学肥料、化学農薬も使用しません。そして生命力の強い苗づくりを心掛けています。腐葉土と焼き土を床土に利用しています。焼き土は60℃で加熱消毒したもので、病気の予防になります。化学農薬を使用しないための工夫です。木の花菌などの微生物酵素液を灌水、土の発酵、葉面散布に利用しています。こうして様々な工夫の元に育てた苗は、とても生命力が強いよい苗となります。木の花ではこの苗を近隣・全国の顧客向けに販売しています。
次に稲作についてです。木の花の稲作の特徴は、ポット苗を使用していることです。ポット苗は、1本1本分かれていて根が絡みません。そのため、苗が太く育ち、田植えで根が切れません。活着も早く、初期育成に優れています。加えて、疎植にしています。一般的に坪60~70株植えるところ、木の花では坪41株です。こうすることで稲が力強く育っていきます。草に負けない稲になるのです。種は温湯消毒をしています(60℃10分間)。これは農薬を使用しないための工夫です。
収穫したお米はもみで貯蔵します。それは発芽する力(生命力)を失わないようにするためです。発芽は生命の繋がりをもたらします。命の循環の象徴です。だから大切にします。玄米は発芽する時、ギャバという精神安定をもたらす物質を出します。食は健康な人を作るのに重要な役割をしています。体の健康だけでなく、心の健康の為にも大切なものです。
生活に彩りを与え豊かにするために、花をも育てています。そして、それを施設周り、室内に飾ります。メンバーの郷子ちゃんがもたらしてくれている豊かさです。
次に養鶏についてです。鶏舎(にわとり小学校)は自分達で設計して、みんなで造りました。余裕のある平飼い、屋根なしの校庭が付いています。飼育数ですが、最近まで860羽いましたが、少しずつ減らしています。それは餌の自給を図るためです。日本の畜産の90%は輸入穀物に頼っています。木の花でも、おからや米ぬかの使用など工夫はしていますが、穀物は輸入に頼っています。餌が外国から船で運ばれるということは、それだけ地球温暖化を促進することになります。それで今年から飼料米を70アール育てました。飼料米の収穫は終わり、今、餌に混ぜ始めています。餌には木の花菌やアミノ酸を混ぜて発酵させています。飲み水にも光合成細菌や木の花菌を加えています。そのため、病気や悪臭はありません。にわとり小学校は、一般の見学者も、鶏のいるところに入って見学出来ます。そんな鶏舎は日本中探してもあまりないと思われます。これは木の花菌で発酵した餌により、鶏の抵抗力が高まっているためです。鳥インフルエンザの危険については意識しています。当然、保健所の立ち入り指導も受けながら、そのうえで健全な養鶏を続けています。
木の花では鶏をひよこから育てています。鶏は病気の多い鳥で、毎日雛が死んでしまう時代もありました。それは心配りを学ぶ期間となっていました。その学びが活きて、現在では高い育雛率となっています。ひよこ電球の使用は1週間ぐらいです。発酵熱による温床で育てているので、その後は必要ないのです。そして、餌としては玄米、ぼかし、ささの葉などを与えています。敢えて、硬いものを与えています。それはなぜか?鳥類は基本的に腸が短くなっています。それはお腹一杯で動けなくなってしまうと、天敵に襲われてしまうためです。しかし、腸が短いと、すぐにお腹がすき、いつも何かを食べ続けることになります。ひなのうちに堅いものを与えることで、腸が長くなります。栄養吸収が良くなり、成長も早くなります。
次に養蜂についてです。木の花では西洋蜜蜂を50群飼っています。蜂蜜の種類は、アカシア、レンゲ、みかん、百花です。基本的に抗生物質は使用しません。木の花菌など有効微生物の活用により、病気や寄生中に対する抵抗力を高めています。今年は1回だけ抗生物質を使用しました。それは受粉用に蜜蜂を貸し出すことになり、他の養蜂家さんの巣と混ざることになり、病気が出やすいためです。木の花の蜜蜂なら、病気になっても抵抗力が強いので、自然に回復します。しかし、他の養蜂家さんの蜜蜂にそれがうつった場合の保障はありません。そこで法律で認定された抗生物質を一度だけ使用しました。日本人の食生活の8割は蜜蜂の受粉のお世話になっていると言われています。その蜜蜂がいなくなる現象が世界的に起きています。蜂群崩壊症候群で、蜜蜂が巣に戻れなくなり、いなくなってしまうのです。この原因については諸説ありますが、薬の多投が一番有力な説です。蜜蜂がいなくなることは、食卓に大打撃を与えます。そんな現状の中、健全な養蜂を保っていくために、基本的には使わない抗生物質を使用しました。しかし、これはずっと使うというわけではありません。つねに現状を考察し続け、健全でベストの方法を柔軟に考え、選び続けていきます。
最後に山羊の飼育について書きます。6頭を搾乳用に飼っています。自家繁殖しています。山羊ミルクは、動物のミルクの中で一番人間の母乳に近いと言われています。だから赤ちゃんの授乳にも使えます。その他、料理やお菓子作りに使用しています。餌には、木の花菌を使用した発酵飼料と、乾燥した青草(35%の水分)を使用しています。そのためミルクに臭みはありません。美味しいミルクをいただけます。
ところで、牛乳のカルシウム吸収率は高いのでしょうか?低いのでしょうか?一般的には牛乳はカルシウムをたくさん含む食材として知られています。しかし、牛乳は人間からカルシウムを出してしまうという意見もあります。牛乳の消費量と骨粗しょう症の数値が比例しているというデータもあるようです。その理由として考えられるのは、人間の体内からのラクターゼの消滅です。ラクターゼについては以前にも触れていますが、腸内で乳を分解する酵素です。生後6ヶ月間のみ人間の体内にあります。ラクターゼのない人間の身体では牛乳の栄養を分解し吸収するのが難しくなるのかもしれません。牛乳のカルシウム吸収が高いのか?低いのか?私たちは低いという説を信用しています。それは高いという立場は産業界の意見で、低いという意見が人間の健康を考えた人達の意見だからです。
多品種少量栽培、苗づくり、稲作、養鶏、養蜂、山羊の飼育など今回はたくさんの具体的な事例について書きました。これらの背後にはたくさん共通点があります。自他の区別を超えていく心、自然の仕組みの優先、頂く気持ち、酵素の力などです。
春は生命のいぶき、夏は生命の力強さ、秋は生命が終わる美しさ、冬は生命の静けさ。芸術的な循環。生命はその中で生きています。甘い蜂蜜。もとは花の蜜です。花の蜜、元は土からの栄養です。元は土なのに、甘いもの、辛いもの、しょっぱいものがあります。元は土なのに、赤、青、黄色、緑などいろいろな色になります。元は土なのに、いろいろな栄養素になります。そんな不思議で豊かな自然に生かされ、私たちは日々、農作業を営んでいます。その15年間の歴史。それをデータ化していろいろな人や国に伝えること。そんなこともこれからの木の花の使命の一つです。
より広く深い繋がりに向けて!
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